秋は雨ばかりで、残念ながら恒例のスケッチ会ができませんでした。そこで今回は都心にある美しい建築を訪ねて来ました。

自由学園 明日館はアメリカ人の建築家、フランク・ロイド・ライトとその弟子の遠藤新が設計した、慎ましやかながらも凛とした佇まいの学校です。
1921(大正10)年、羽仁吉一、もと子夫妻により創立されました。国の重要文化財に指定されています。

紅葉のまだ少し残る大きな木の下をくぐって入場

芝生の庭を臨みます

今回はスタッフの方がガイドをしてくださいました。

まず屋外から説明を聞きます。

館内の展示室に入ると、初期の頃の「子供之友」が。
なんとも上品でかわいらしい。

「食堂」に移動しました。高窓からの光と、創設当時デザインされたという照明が、とてもよい雰囲気を醸し出しています。

設計者フランク・ロイド・ライトの実物大パネルが登場!

生徒が増えて改築されたという「小食堂」のテーブルと椅子。簡素ながらも上品で使い勝手のよいデザインです。

女学校当時毎朝の礼拝をしていたという「ホール」へ。
幾何学模様の窓から、美しい光が差し込みます。

「ホール」西側にある壁画

この宗教画は、かつて生徒によって制作されました。ところが時は戦時中。止むなく漆喰で上塗され、何年のそのまま忘れられていたのですが、卒業生が漏らした「ここに壁画があったはず‥‥」という言葉によって漆喰が丁寧にはがされ、元の壁画が甦ったというものだそうです。

いったん外に出て、

通りを隔てて「講堂」へ
「講堂」の中に入りました。

2階席からステージを臨んで。

2階席の椅子

1時間ちょっとのガイドツアーが終了しました。館内すべて、どこもかしこも考えに考え抜いた愛情深い設計で感心しました。この後は「ホール」に戻って、コーヒーとお菓子を頂きました。
帰る頃には冬間近の西日が‥‥

明日館のリーフレット。自然でやさしい味の、自由学園卒業生による手づくりクッキーと共に。

〈明日館を見学して〉
恒例の秋のスケッチ会が今年初めて中止となったのですが、スケッチをするには季節がかなり寒くなりましたので、明日館の見学という初めての試みにしてみました。
お問合せしたところ、館内スタッフの方も快く対応してくださり、1時間のガイドツアーと、壁画のあるホールでのコーヒーとお菓子を楽しむことができました。
心地よく上品な空間で、心が洗われるような思いがしました。
窓から差してくるきれいな光線で、座っている人達のシルエットがアーチを描くように輝いていました。
さらにガイドをしてくださった女性スタッフの方の、誠意ある熱心な解説は、会場のみんなの感動を呼びました。
ほんとうに素晴らしい1日でした。
また季節を変えて訪れてみたいと思いました。

帰り道、「主婦之友社」の前を通って