吉田絵画教室ブログ、本日より新ページへ引っ越しました!
今後とも宜しくお願いします。
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ご夫婦でいらしているHさん。
ご主人は絵を始めたばかり。ガッシリした体格に言葉は少なめですが、時おりクスッと笑う穏やかで何やら楽しげな人。
先日のモチーフはカボチャでした。
その道30年の職人さんのように黙々と、そして慎重に描き続けていました。
そして、授業の終盤、カタリと筆を置き、自身の作品を睨み、腕組みをしたままじっと動きません。
おや?と思い
「どうですか?」とお聞きすると、
「んー。やりつくしました。へへ」とニッコリ。
その作品は確かに何かを考えているような風情のどっしりとした、またどこか愛嬌のあるカボチャでした。かなりイイ味出してます。
やりましたね。
絵はやはり人となりですね。

授業が終わり、帰り支度のAさん。
突然、棚のCDジャケットを手に取って
「流れてたのコレ? 素敵ね、先生」
ボクは音楽のボキャブラリーが少ないので教室のBGMにはいつも苦労します。
皆が絵を描いていてジャマにならなくて、心地よいもので、しかも集中しやすい曲はないものかなあと。
で、今かかっているのがAさんが気に入ってくださった「アンドレイアス・フォン・バンゲンハイム(ギター)のバッハ無伴奏チェロ組曲」。
ネットで手に入れました。
それまで流していたのは吉森信さんの「彩」というアルバム。これは相当気に入っていて8年位、授業のムード作りを助けてくれました。山野楽器で試聴して見
つけたのです。
曲目の中に「ゴーギャンの愛した島」「水彩のスケッチ」等がある事を、随分たってから知ってびっくり。
絵画教室にぴったりな訳ですね。

今日は数ヶ月に一度の病院での検査。
主治医はにこやかで楽しいT副院長先生。
「どうですか、吉田さん?」
「お陰様で何も起こりません」
「イヤー、そりゃ良かった。医者としては喜ばしい。もう10年ですものね」
「でも、絵を描くとやはりゲリやベンピと体調を崩します」
「我々、素人にはわからないけれど、芸術にかかわる人達は皆、何かしらあるんじゃないでしょうか。症状が良くなっているのは、今の吉田さんの生活信条が以
前より良くなっている証拠ですよ」
「でも、イイトシして迷いだらけです」
「何言ってるんですか、あなたまだ88才まで生きた北斎の半分の年だ。ヒヨッ子ですよ。あせっちゃいけません」
ありがとうございます。T先生。

まだまだ寒いですね。
朝の散歩です。
レッグの気の向くまま歩いていくと、向こうから似たような犬を連れたオジサン。
「おはようございます」
「この辺によく来るの?」とオジサン。
「ハイ、この子の気分次第でして」
「ウンコはどうしてる?」
おや? 注意されるのかなと思いつつ「ビニール袋で拾います」とボクはジャンパーのポケットを叩いて胸を張った。
「あ、そう。ビニール袋でつかむと手がホカホカするでしょ。オレなんか、ホラこれ、紙で作ったこの袋でコイツがもようおした時に尻の下にサッと差し出すの
よ」
「ほー」
「コイツも14才で慣れたもんで、ちゃんとこの中に落とすのよ。ホレッ」
と見せてくれました。袋に入った取りたてのウンコ3つ。
「コレだとホカホカしないんだよ、手がね。ンじゃあね」
オジサンはうやうやしくウンコを捧げ持ち、ガンマンのように誇らしげに去ってゆくのでした。
レッグは
「朝っぱらからヨソのウンコ見たね」と目で語るのでした。
太極拳教室で知り合ったKさんは、知的で上品でおチャメな方。太極拳歴18年(!)のまさに功夫。
こちらは月2回6ヶ月の浮ついた人。
ボクらの教室の作品展にもお姉様と共に観に来てくださいました。
「吉田さん、相変わらず絵を描くと具合が悪くなるの?」
「ハイ』
「どうしてかしらネ。好きな事をされてるのに‥‥。好きなように暮らしてるってお顔してるのにね」
「ハァ」
「そういえば、『ぼくらのいきなり漂流記』手に入れました」
「えッ?」
そうです。恥ずかしながらボクが20代の頃にさし絵を描いた単行本を、買ってくださっていたのです。
Kさんの素早いジャヴとボディブローがジワジワと効いてきました。
行き帰りの電車はかなり疲労します。
そういう方、多いと思います。
今日も行きの電車、いきなり眼鏡にグシャグシャの白髪頭のオジサンが隣にドーンと座ってきて頭をバリバリかきながら読書を始めたのです。そして、その本を
持つ手のヒジがぐりぐりボクのチカラコブにあたるのです。
やだなー。カンベンしてくれよー。カンジワルイナー。ボクは隙間をあけようと大ゲサに座り直すのですが、オジサンまったく気にせず、気付かず。
「ガマンしよー。そのうち降りるに違いない。降りておくれ。禅だ。深呼吸だ。目の前には広い草原が広がっているんだ」
だめだ。顔がポッポしてきた。腎臓に悪い。肝臓に悪い。だめだ。脳ミソのまん中にオレンジ色に燃え盛る“新グロモントのブルース・リー”が仁王立ちだ。
ついぞオジサンは降りず新富町に到着。
ホームに降り立つと頭はクラクラ、くたびれてまっすぐ歩けない。
あー、何やってんだ。ボクは。これだから死にたくなるんだよなー。もう。
この日の帰りの電車、駆け込み座ってほっとす
ると、隣のおネエさんが突然、
「ここ、どこ駅ですか?」
「えッ? 和光市です」
「ありがとうございます」
乗り換える予定だったのだろうか、その人はキョロキョロしながら落ちつかない様子。
そして次の駅に着くと席を立ちドアにむかう途中こちらを振り向き、改めて深々と頭を下げ「ありがとうございました」と一礼して降りて行きました。
そんな‥‥駅名を答えたくらいであんなに丁寧に‥‥。びっくりしたのと感心し過ぎたのとで、涙が出そうになりました。
こういう人もいるのかー。
世の中は捨てたもんじゃないなー。
生きてて良かったなー。
西陽の中を怒ったり泣いたりする男を乗せて、電車はガタゴトあわただしく走り続けるのでした。
愛犬レッグを洗いました。
これが結構大変なのです。
彼
女は皮膚が弱く、あらゆる犬シャンプーを試してもワキの下やおナカが赤くかぶれてかゆがり、何本も使用途中でムダにしてしまいました。お金も大変です。今
は人間の赤ちゃんのアトピー用シャンプーをだましだまし使っています。今迄で一番状態は良いようです。(これが正しいのかは疑問ですが・・・)
そして、今回発覚したのは随分と太った!ということ。
ドッグフードも同様、体質に合うまでとっかえひっかえが続きまして、アレルギー症状が落ち着いたと思いきや、みるみるおナカや太モモあたりがムックリして
きたのです。困りました。
家に来たばかりの頃はノラ犬だった為かやせ細っていて、隣のオバアチャンに「ゴハンもらってないんだねェ・・・」と同情されたり、「スマートねェ、シェ
パードみたいねー」と道行く人に言われたものですが、今やどう見ても少しヤセ気味の黒いタヌキ。
そのうち、「随分、細いタヌキねー」って言われるんじゃないかなあ。ま、見てくれよりも健康上良くないからね。ちょっと心配です。
カリキュラムでアクリル絵具の練習をしているのですが、なかなかどうして、初めての方は厚塗りをするのに勇気がいります。
エイヤッと思い切って油絵みたいにたっぷり絵具を盛るのもおもしろいと思うのですが、ついつい薄塗りしてしまうMさんがご自宅で再チャレンジして青りんご
を描いて来ました。
「先生どーしても厚塗りにならなくて、アタクシッ4回も5回も塗ったんですのよ。ホントに4回も5回も塗ったんです」
「うーん、水が多いのかなぁ。6回も7回も塗ってみてくださいね。6回も7回も」とボク。
ガンバッテね、Mさん。

昨年、大病されて大きな手術をしたIさんが教室に復帰されました。病名を伺った時は本当にショックでした。15kgも体重が減り、通常のお食事もま
まならないというのに、頑張って絵を描きにいらしたのです。
「先生! しばらくですッ」Iさんは笑顔でボクの手をギュッと握ってくれました。
ボクはうれしいやらまぶしいやらで、握り返すのが精一杯。こんなに絵がお好きでクラスメートを大切にされている!
改めて力の湧いてくる思いでした。
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